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996spsと998Rの違いについて

[1] 名前:青空 :2008/12/07 (日) 18:17 No.1822
はじめてですが、教えてください。
新車当時はとても手が出ませんでしたが、そろそろ程度の良い車両が入手できる限界かとお思い、購入を検討しております。
候補車は996spsと998sで、どちらにするか迷っているのですが、整備性、耐久性および乗り味はかなり違うのでしょうか?
ディーラーに相談したところ、998sの方が断然エンジンの耐久性が高いし、乗りやすいので、おすすめとのことでした。
実際のところ、どうなのでしょう?



[2] 名前:電気式 :2008/12/11 (木) 01:35 No.1825
難しい問題ですが、これといったこだわりがなく
なるべく速いDUCATIがお望みであれば998Sでしょうね。
(スレタイ 998Rになってますけど間違いですか?)

996SPSは年式によりますね。
996ccという意味では、916SPS 1997から範囲だと思いますが
お勧めは2000年モデル。というか、2000年式以外はお勧めしない。
OHLINSフォークが付いているからということも当然あるけれど
とにかく00がおすすすめ。
割と、レースで使われていることが多いから、そういう奴は避けること。
レース仕様(使用)車は酷使されている割に、メンテが十分でない。
メンテがされていないわけではないが、普通のサンデーレーサーは
タイヤ代とかエントリ代が大変で、あまりメンテしないと思う。

一方、絶対的台数は少ないとはいえ97-00までと長く作っていたので
タマはあるのかな?
広義でいえば、01の996Sも同じです。インジェクション周りとフレームが
違うぐらい。おおざっぱにいえば。


[3] 名前:電気式 :2008/12/11 (木) 01:35 No.1826
一方998は、02の998Sと04のFEしかない。
エンジンとしての完成度は、996のデスモクアトロと比べれば圧倒的に
良くなっているし、ロッカーアームのメッキ剥がれなんかもデスモクアトロ
よりは全然ましだし。
ただ、フライホイール周りのマスが大きいので(996SPS比)回り方が
比較的おっとりとしていて、「ぉぉ〜〜」っていう感じはSPSに比べると
少なめ。コンピュータが小型化したのはいいけど、バッテリ脇になって
右側に激しくコケルと、場合によっては悲しいことになる。

スペックから検証すると、オリジナルモデルからのパワーアップ比と
ピストンスピードの検証

996 112ps 22.00m/s
996SPS 123PS 24.20m/s
+9.8%

998 123ps 資料なし
998S 136ps 22.23m/s
+10.5%

ベースモデルと比べたパワーアップ度は、大してかわりがありませんが
ピストンスピードが大きく違いますね。
996SPSの24.2m/sってのは結構高め。こういったところも耐久性という観点からは
マイナス評価になるといえばなる。


フォガティ時代の996に特段の思い入れがなければ、998Sお勧めですよ。
というか、最終的に自分で決めないと後悔しますからね。
自分自身で判断付ける自身や資料がないうちは、買わない方が良いと思う。
自分が買って損しないための担保がほしいのであれば、なおさら。
特に中古は難しい。


[4] 名前:青空 :2008/12/11 (木) 20:05 No.1829
電気式様、貴重なご意見ありがとうございました。
件名の998Rは998Sの間違いです。

私も、投稿する前に、Ducati.comでダウンロード出来るOwner's Manuarlで仕様を比較したところ
996spsのピストンは98

[5] 名前:青空 :2008/12/11 (木) 20:29 No.1830
電気式様、貴重なご意見ありがとうございました。
件名の998Rは998Sの間違いです。

私も投稿する前に、Ducati.comでダウンロード出来るOwner's Manuarlで仕様を比較したところ、
996SPSのピストンは98×66、998Rは100×63.5と996SPSはかなり無理しているなと思いつつ、見方を変えればメーカーチューンの最終形とも言える?
ただ、ピークトルクは996SPSが7000rpmに対し998Sは8000rpmなので、意外と998Sの方が高回転型?
机上ではやはり分からないので、皆様のご意見が聞ければと思い投稿しました。

悩むのも楽しみの1つと思いますので、よく悩んで見ます。


[6] 名前:よしざわ :2008/12/12 (金) 17:20 No.1831
 う〜む、中古車の選択基準をピストンスピードで論じるなんて日本、いや世界で始めてではないだろうか!?斬新です。(茶化しているのではありません)

 ただ、ピストンスピードはレーシングレベルでは間違いなく耐久性の指標になりますが、町乗りで流す程度では要素として無視できる、と私は考えますが、いかがでしょう。

 しかし、やはり視点としては面白いので、私も遊んで(?)みると・・・上の数値を整理してさらに必要な情報をくわえると・・・

(表1)
----------MaxP@rpm---------BxS-----------Vma---
996------112PS@8500rpm----98x66mm------22.00m/s
996SPS---123PS@9800rpm----98x66mm------24.20m/s
998------123PS@9750rpm----100x63.5mm-----------
998S-----136PS@10000rpm---100x63.5mm---22.23m/s

が得られます。

 クランク一回転でピストンは1往復、すなわちこれはピストンが、t=60/rpm 秒間に L=2S/1000 メートル動いたことを意味します。このときのピストンスピードVav(m/s)は単純な速度計算式で

Vav = L/t = rpm・S/30000 (m/s)

表1の数値を式に代入して得られた値(Vav)を表に付け加えます・・・

(表2)
-----------Vma--------Vav---
996------22.00m/s---18.70m/s
996SPS---24.20m/s---21.56m/s
998-----------------20.64m/s
998S-----22.23m/s---21.17m/s

 ただし、実際にはピストンは等速運動していない(コンロッドに角度が付くので厳密には異なりますが、クランク回転運動を正射影した単振動に近い)ので、上の計算値はクランク一回転における『平均的な』ピストンスピードをあらわしています。(だからといって無意味な机上の数字ではなく、正しく平均値をあらわしています)

 表1のピストンスピードは、表2の平均値よりも大きいので、(実測した?)ある瞬間の『最大』ピストンスピードなのかなあ・・・
(つづく)

[7] 名前:よしざわ :2008/12/12 (金) 17:20 No.1832
 実のところ、リアルタイムのピストンスピードは(当然、最大ピストンスピードも含め)、さらにコンロッドの長ささえ分かれば、逐一、幾何的に計算できるものではあります。とはいえ、それをするには非常に手間がかかりますので、ここではお茶を濁して、最大ピストンスピードを、『仮想的な』計算によって出してみたいと思います。

 平均スピードにルート2(1.4)をかければ、統計学的な最大値(Vma1)が得られます。およびピストンが単振動と仮定した場合の最大値(Vma2 = 3.14・rpm・S/60)も表に付け加えると・・・

(表3)
-----------Vma--------Vav--------Vma1-------Vma2--
996------22.00m/s---18.70m/s---26.18m/s---29.36m/s
996SPS---24.20m/s---21.56m/s---30.18m/s---33.85m/s
998-----------------20.64m/s---28.90m/s---32.40m/s
998S-----22.23m/s---21.17m/s---29.64m/s---33.23m/s

 う〜ん・・・ここで、Vmaの値と仮想値との開きに悩んでしまいます。あ、そうか、Vmaは、レブリミットまでぶん回したときの平均値ではないか、と新たに予想してみます。

 そう予想した場合のエンジン回転数を逆算すると

(表4)
--------------Vma@rpm--------------
996------22.00m/s@9999rpm=10000rpm
996SPS---24.20m/s@10999rpm=11000rpm
998--------------------------------
998S-----22.23m/s@10502rpm=10500rpm

 各車のレブは知りませんが、いい線いってるかなあ??(もうちっと回りそうな気がするけれども・・・)
(つづく)

[8] 名前:よしざわ :2008/12/12 (金) 17:21 No.1833
 ちなみにちょっと古い2バルブでは(たまたまデータがあったので)

400ss---42ps@10500rpm=>11000rpm---70.5x51mm---17.85m/s=>18.70m/s
750ss---66ps@8500rpm=>9000rpm-----88x61.5mm---17.43m/s=>18.45m/s
900ss---80ps@7250rpm=>9000rpm-----92x68mm-----16.43m/s=>20.40m/s
996-------------------------------------------18.70m/s--22.00?m/s
996SPS----------------------------------------21.56m/s--24.20?m/s
998-------------------------------------------20.64m/s----------
998S------------------------------------------21.17m/s--22.23?m/s

となります。(エンジン回転数は最高出力時とレブリミットです。)


 とまあ本題とは関係ない話を長々書いてみましたが、本題に戻すと・・・

 『ピークトルクは996SPSが7000rpmに対し998Sは8000rpmなので、意外と998Sの方が高回転型?机上ではやはり分からない』

とありますが、まさにこれは上記ピストンスピードで論じればよいのです。996SPSは998Sに比べてピストンスピードは高い・・・すなわち高回転型のエンジンなのです。


[9] 名前:よしざわ :2008/12/12 (金) 18:21 No.1834
机上ついでに・・・

----------MaxP@rpm---------BxS---------PS/L----PS/cm2
400ss----42ps@10500rpm----70.5x51mm----107.0---0.55
750ss----66ps@8500rpm-----88x61.5mm-----88.3---0.54
900ss----80ps@7250rpm-----92x68mm-------88.5---0.60
996------112PS@8500rpm----98x66mm------112.5---0.74
996SPS---123PS@9800rpm----98x66mm------123.6---0.82
998------123PS@9750rpm----100x63.5mm---123.4---0.78
998S-----136PS@10000rpm---100x63.5mm---136.4---0.87

PS/L:1リッターあたりの出力をあらわします。これは有名な指標ですね。スポーツバイクなら100は欲しいところですが、80以上で合格点・・・かなあ。

PS/cm2:ピストントップの面積1cm2あたりの出力をあらわします。これはあまり見かけませんが、エンジン評価の重要な値です。NAエンジンならば0.5〜0.6あたりで高性能第1段階、0.7以上で第2段階、といった感じでしょうか。

 この値は排気量が小さいほど不利な傾向をみせます。たとえば、50ccで7馬力の原付(ボア40mmとする)はリッターあたり出力は140PS/Lですが、面積あたり出力となるとわずか0.28PS/cm2に過ぎません。また計算上、ターボに有利です。(4輪の市販の量産ターボでも0.8〜0.9あたりを出します)

 上の表で見ると、998S > 996SPS = 998、てな感じですかね。実際走らせると 998S >= 996SPS > 998 てな感じになりそうなのですが・・・

[10] 名前:青空 :2008/12/13 (土) 00:58 No.1835
吉沢様、興味深いご考察ありがとうございました。
かつて、国産ネイキッドに乗っていたとき、新車から5万キロ弱でエンジンを開けたところ、シリンダーのクロスハッチが無くなり、リッターバイクでもこんなもの?と思った経験があります。
このため、長く乗るのであれば、ピストンスピードから耐久性を推測するのも面白いかなと思いました。
『意外と998Sの方が高回転型?』と思った理由は、こんな感じです。
    最大トルク 最大馬力 レブ
996SPS 7000rpm  9500rpm  11000rpm
998S  8000rpm  10200rpm   11500rpm

ここから、吉沢様の算出式を用いて、ピストンスピード(平均)を算出すると
最大トルク 最大馬力 レブ
996SPS 15.40m/s  20.90m/s 24.20m/s
998S  16.93m/s 21.59m/s 22.23m/s

レブは設定次第で何とでも成りますが、最大トルク/馬力はそうはいかないので998Sはカムか吸排気系の見直しにより高回転型に成っているのかと思いました。
ただ、ピックアップの良さは電気式様のおっしゃる通りフライホイール周りのマスも聞いてくるので、机上では分かりません。
また、一般車のピストンスピード限界は20m/s程度と聞いたことがあります。
2気筒でこの値はさすがドカと思いましたが、996SPSのレブ11000rpmは驚異的です。
イタリアンジョークでは無いですよね?
    




[11] 名前:電気式 :2008/12/19 (金) 04:03 No.1841
>う〜む、中古車の選択基準をピストンスピードで論じるなんて日本、いや世界で始めてではないだろうか!?斬新です。(茶化しているのではありません)

なぜこういった回答になったかについて言わなければならないようですね。
なんとなくイメージ的には998Sが良いと思うのですが、論理的に説明されなければなりません。
まぁ落とし所が先にありきだったわけです(笑)

>どちらにするか迷っているのですが、整備性、耐久性および乗り味はかなり違うのでしょうか?

説明するにあたって考えたのは、耐久性の部分です。それ以外の部分は割と主観ですから。
最初は、ベースモデルからの馬力の比でどれぐらい無理しているかを考えたのですが、計算してみるとあまり変わらないというか、むしろ
998Sの方がベースモデルからのUP率が大きい。
で、次に考えたのがレブリミットから見るピストンスピードの対比。
最高出力回転数は、結果的としての数字でありますがレブリミットはある程度設計者が決定できるもので、メーカーとしての意図はこのあたりに表現されるのではと考えたのです。
そうやって見ると、SPSの方が回すように出来ているということが導き出されました。

あまり上手でない人は、レブリミットが当たるまで回し続けますから、そういった意味での酷使され度というのは推定できるかと思います。

耐久性という意味では、単純にピストンスピードだけではなくピストンやコンロッドなどの往復部品の重量が掛け合わされることも忘れてはならないと思います。

DUCATIの4V系のピストンは、スカートが非常に短くピストンスピード的には有利です。設定にもよりますが昨今の技術では、バイクでの24m/s程度は特に問題ないようです。車は違うと思いますけどね。
モデルにもよりますがDUCATI2Vはおおむね20M/s、4Vは24m/s程度になるようにレブリミットが設定されていますが、戦略的理由がある時はこの限りではないようです。



[12] 名前:電気式 :2008/12/19 (金) 04:04 No.1842
続き

DUCATIの4V系の伝統的には、
エンジン完成>レースで勝つ>他社の性能UP>勝てなくなる>基本構造を変えずに進化する(チューニング)>レースで勝つ
を繰り返しつつ、そのうち基本的な設計が改善されないと勝てなくなる>大幅デザイン変更
みたいなことが繰り返されています。

と同時に、これはレーサーだけ限りますが
チューニング度合いが上がる>耐久性が落ちる>1レース持たなくなる>部品・デザインの見直し>耐久性が上がる>
を繰り返しています。

簡単な例を出せば、916のレーサーは最初1995に発売された市販レーサーは955ccでした。この当時のレギュレーションは、排気量上限の中でボアアップによる排気量変更はOKという時代でした。
市販レーサーは2mmボアアップの96x66で955ccでしたが、1996にはワークスだけ先行して、さらに2mm大きい(916比4mmプラス)の996ccになっていました。ですが、クランクケースのデザイン的に916のケースは限界があり、98x66の996ccだとシリンダーのスリーブがペラペラになってしまい1レース持たないということがありました。振動が集中するのか特に後ろシリンダーが辛かったようです。

で、1997になってレギュレーションが変更されてボアアップも禁止になって996を発売しないといけなくなるのですが、この時にはクランクケースのデザインが変更され、スタッドボルトの間隔を広げてケースの穴を大きくしたりリアシリンダーの根元部分にクランクケースの締め付けボルトが追加されたりしたものです。
まぁ、これはスーパーバークレーサーに関する話なのでそのままイコール市販車ではありませんが。


つまり、(エンジンの)モデル後期はエンジンとしてのチューニング度合いが高く、それなりに無理していると言えなくもないですが、考えようによっては完成しているともいえます。
モデル初期は、ベースの特性として性能アップがもららされているので余裕があるといえばあります。
一概には言えませんけどね。









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