8月5日発売、Studio Tac Creative刊、ドゥカティ モンスター カスタム&メンテナンス誌に606を紹介いただきました。
嬉しいことに掲載は2台目。見開き2ページと大きく扱ってもらっております。(ちなみに、本を見た方すべて、印刷では実車の色(蛍光イエロー)が出ていませんね!との感想を述べられました。)
606A2のベースはキャブのM400で、エンジンにオリジナルのピストン&シリンダーキットを使用し、ボアはノーマルの70.5mmから87mmまで拡大(ちなみに750のピストン径は88mmです。)され、総排気量は606ccとなっています。これが車名となっています。606の後のA2は “Air-cooled 2 valves/cylinder”(空冷、1シリンダーあたり2バルブ) を意味しています。
率直に言って、この606ccという排気量・・・400のボアアップにおいて現在過去にわたり最大排気量であることが売りな訳です。
当モンスターカスタムは、一番最初に606キットありき、なわけです。606キットを運ぶ車体に、モンスターが選ばれたと言って差し支えありません。
606キットは400F3、400SS、M400などに装着可能ですが、この中で一番のボリュームゾーンがモンスターかな、と言う消極的な選択ではありましたが、モンスターをベースにする以上、定番のドゥカティ・カスタムとは違う提案ができたら、という野心も芽生えたわけです。
当モンスター、ノーマルのアルミホイールのままであること、これが重要なんです。(実際は、Rホイールを400の4.5インチ幅から900の5.5インチ幅のものに交換してありますが)大上段から構えた言い方になりますが、ただ高価なパーツをボルトオンしまくるだけ、という昨今の風潮へのアンチテーゼとなるようなカスタムを目指したつもりなのです。
ここで、ちょっと横道にそれて、カスタムに影響を与えた2台をご紹介しておきましょう。
色はですね・・・率直に書きましょう。ケーターハム・スーパーセブンJPEからいただきました。蛍光イエローとブラックのツートーン。目立つ色使いながら、落ち着きすら感じられる・・・というのが私の評価でした。JPEは歴代最強のセブンとしてなかなか興味深いモデルなんですが、このクルマからの影響は色だけですね。
次に、コンセプト・レベルで模範となったのが、これも4輪なのですが、意外にも、アルピナなんです。今ではアルピナは正式な自動車メーカーとして認められていますが、かつての、BMWを使ったレース屋であり、チューナーであったころのアルピナ・・・具体的に言えば、70年代初期から中期の2002をベースにしていた頃のアルピナのチューニング・アプローチが私の目指すところですね。
そのアプローチとは具体的には何ぞや、というのは、一言で言えば、見栄の排除、本質的であること、といったところでしょうか。
【オマケ】
アルピナ・チューンの2002ti (ロードカーとレーシングカー)
レーシングカーはETCなどの国際レースに参戦。西ドイツ国内のレースではロード、ラリー、ヒルクライムの三部門でチャンピオンになるという圧倒的な強さを発揮しました。
ロードカーは、コンプリートカー、あるいはチューニングキットという形で販売されました。
キットの内容は、エンジンパーツ(高圧縮・軽量ピストン、大径バルブ、慎重にバランス取りされたクランクシャフト、ポリッシュされたコンロッドほか)、エキゾーストパイプ、ギアボックス、サスペンション、ホイール、ブレーキ、高性能キャブなど、など・・・これらが組み合わされ、2リッターエンジンのまま、ノーマルの130馬力から165馬力まで引き上げられます。(この出力は、2002ターボの170馬力とほぼ同等で、ターボよりも1500マルクほど安く手に入りました。)
アルピナの2002ロードカーは、ヴァレルンガ・サーキットにおいて同時代のポルシェ911Sより5秒!!も速いラップを記録しています。