この稿では、ズバリ、パゾのフレームとビモータの空冷4発用モジュラー・フレームの近似性について述べてみたいと思います。(私の知る限り、この論を公にしている人は、他にいないはずです。ええ、私が入庫したパゾをいじっているとき、フレームをまじまじ眺めて、!!とひらめいたのです)

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 上の2つの画像は、パゾのフレーム(注:アンダーレールが取り外されています)とビモータのモジュラー・フレームで、どちらもデザイナーはマッシモ・タンブリーニです。フレームは角パイプと丸パイプの違いはありますが、各部のパイプの通し方に類似性を感じませんか?

 細部も画像では見えませんが、Rサスのリンクの構造とか、Rホイールアクスル部にエキセントリックホルダを採用しているところとかも・・・

 パゾはビモータを辞め、CRCのチーフとなったタンブリーニの、CRCにおける最初の作で、ビモータで長年培ってきた自分自身の手法をそのまま使った・・・言葉を換えれば、定評のある4気筒用モジュラー・フレームの、タンブリーニ自身による2気筒的解釈、といえるのではないかと当方は考えます。

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 この画像はパゾのプロトタイプですが、量産型との違いは大きなところで、エンジンがベベルであること、フレームの素材がアルミであること、くらいでしょうか。

 このプロトの方が、モジュラー・フレームとの類似性が、よりハッキリするかもしれません。そう、特徴的なアルミ板によるスイングアームピボット部なんか、(フライスによる肉抜きの造形も含め)瓜二つの処理ではないですか!

 以上、こんなところです。いかが思われましたでしょうか?ついでにパゾのウンチクも書いておきます。

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 これは80年代半ばのRC誌に、『ビモータを辞めてからしばらく消息不明となっていたタンブリーニ氏がここ(CRC)に!後にはエンジンレスのS2が・・・ということは?』という感じのキャプションとともに掲載された写真です。(つまり、S2のエンジン、タンブリーニフレームでバイクを造っているのではないか。という含みなのですが、それがまさかパゾだったとは、この時点で誰が想像できたことでしょうか!!)

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 凝った造りを見せ付けるモジュラー・フレームのステアリング・ステム周り。スランテッド・アングルと呼ばれる、ステムとフォークが並行ではない構成と、力のかかるステムを4方向から支えるパイプワークが特徴的です。(これのどちらもパゾのフレームには採用されていません)

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 画像はヤマハFJのフレームなのですが、これもモジュラー・フレームにそっくりではないですか!特にステムを3方向から支えているところなんか・・・FJのデビューは1984年。ビモータよりも後出しですから、ビモータのアイデアをパクッた、という嫌疑は避けられません!(意外に、ビモータにパテント料を払ったのかも??)