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 前回予告いたしました「もっと衝撃的な事実」とは・・・なんと、肝心要のコンロッドとクランク・シャフトが、いたずらでもされたのか!?と思えるほど無造作に削られていたことなんです。

 写真で確認できますでしょうか?手前のコンロッド側面が、鏡面とは程遠い荒れた面で削られています。(奥のコンロッドの、”DUCATI”のロゴが残る本来の鍛造肌と比較すれば一目瞭然)また、クランクウエブの左肩部も、なぜかそこだけ削り落とされている箇所があります。

 誰が何のためにかような暴挙を?

 おそらく・・・あくまで当方の推測ではありますが、以前このエンジンを開けた人物は、他の箇所の修理のついでか、それが第一の目的だったのかは知りませんが、コンロッドとクランクを(本人の予定としてはピカピカに)磨こうとしたのではないでしょうか?

 しかし、浸炭&高周波にて表面硬化処理のなされたクランク、コンロッドは、そう簡単には削れてくれない。

 また彼は、コンロッドをクランク・シャフトから取り外して作業をする、という最低限のこともしなかった。(だから、コンロッドが向かい合った面は削られていない。なんと中途半端な!!)

 クランク・ウエブ肩部にある意味不明の削り痕は、あまりの硬さではじかれてしまったリューター、あるいはベルトサンダーがぶつかってしまった箇所をごまかした結果ではないでしょうか。

(かようにして、意気消沈した作業者は中途半端で仕事をやめた!!)

 コンロッドやクランクをピカピカに磨く主たる目的は、エッジをまるめたり、表面の微細な凹凸を除去することで、パーツに応力が局所的にかからないようすることですが、現代のパーツでは、ほとんど行わない処理ではあります。

 パーツの加工精度も表面処理技術も、まだまだ未熟だった時代ならいざしらず、それらが十分進んだ現代では、ほとんど意味の無い、労力の割に報われない作業となりさがっています。(CB72をチューンしていた時代のポップ(吉村秀雄氏)がピカピカに磨いたクランク&コンロッドは芸術品といえるレベルでしたが。)

 コスト度外視でベストを尽くす場合はやってみる価値はある?せっかくの浸炭層を削り落としてまでやることではないのでは、というのは私の意見です。

 自己満足と呼ぶにも、あまりにも稚拙な作業。まさに「チューニングごっこ」と呼ぶにふさわしい。(それも、プロの作業の可能性は非常に高いと思われる!!)