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 クランクケースをばらし始めて、あることに気がついた。左右ケースを締結するキャップボルトが純正品ではない・・・・ということは、過去に最低1回は腰下が開けられている!!(一体、何のために開けたのだろうか?)

 db1が現役だった当時、ミッションがらみのトラブルが目立って多かった。よく知られた原因があるのだ。太いタイヤを履かせられることを目的に、db1のフロントスプロケットはすり鉢形状になっており、チェーンラインを外側にうつすためのオフセット量をかせいでいる。

 この、とってつけたようなオフセット形状に無理があり、より厳しい形でチェーンに引っ張られることになったスプロケは、わりと簡単に音を上げる。

 軽傷であれば、スプロケを留めているちっぽけなボルトを折損する程度だが、場合によっては、スプロケとアウトプットシャフトの勘合部の山(スプライン)をなめてしまったり、最悪、アウトプットシャフトを支えるボールベアリングの台座のキャスティングを割ってしまうことすらある。

 db1の、Fスプロケ、スイングアームのFピボット、Rアクスル、以上3点の位置関係の特異性に無知な人間が、しばしばチェーンを張りすぎることも、そのトラブルを加速させた。

 設計のまずさ・・・のみならず、人為的な側面もあった。

 前置きが長くなった・・・つまるところ、このエンジンはそういうトラブルを起こした過去があるのだろうか?

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 抜き出したミッションを眺めると、原因は一目瞭然だった。5速のギア(写真、右から2番目)と、それを左右に動かすシフトフォークが不当に接触し、お互いを削ってしまっていたのが分かる。

 何でこういうことが起きてしまったのか?前回、ミッションを触ったのであれば、その組み方・・・クリアランスの管理がまずかった??今となっては何を言っても推測の域を出ない。そこにあるのは、他にあまり無い形でトラブルを起こしている、という事実のみである。

 パンタ系の部品は、年々入手が難しくなっている。特にミッション周りはなおさら、と聞く。補修パーツに関してはゆっくりと探すことになりそうだ。

 ・・・・実はこの腰下、トラブルの直接原因のミッションの破損の他、もっと衝撃的な事実が隠されていた!!