80年代にドカの純正キーシリンダーには、ZADI製が使われていました。ZADIはイタリアのキーメーカーで、キーを差し込むスロットの部分が赤くなっていて、そんな細かいところにも、イタリアらしい洒落っ気を感じさせられたものです。
イタリア製ゆえなのか、単に寄る年並みには勝てないだけなのか、その時代のキーシリンダーに、キーONしても反応が無い、といった感じのトラブルが多く起きています。内部端子の接触不良・・・磨耗?あるいは焼き付き?あたりなんでしょう。
パーツの入手に関して、今の状況は未確認ですが、ちょっと前なら出なくもなかったんです。が、非常に高価なんですね。4、5万はしたかなあ。確かに、たかがキーシリンダーに出すには抵抗のある価格です。
91年に発売された900SSから、前後サスペンション、キャブレターなどに日本製部品が大胆に使用され、趣味性はともかく、耐久性や扱いやすさは向上したのですが、キーシリンダーも例外ではなく、日本製・・朝日電装(AD)の製品となっていました。(この時代のドカのスペアキーにヤマハのブランクキーが使えるのは、この理由によります。)
左がZADI製、右がAD製
AD製も、1万数千円と決して安くは無いのですが、ZADI=オリジナルにこだわりが無ければ、AD製の流用でコスト面での大幅な圧縮が可能となります。
しかし・・・世の中そう上手くはできていません。ZADIとADでは取付ピッチが微妙に異なるのです。まあ、加工すれば付きます。ただ、その「微妙」さが、加工の上で、いやらしさを発揮します。(いっそのこと全くピッチが違うのであれば、はるかに楽なことでしょう)
なんやかやで、こんな感じに取り付きます。