コバスとドゥカティ
アントニオ・コバスをご存知ですか? こんな人です。 あっ、間違えた。ホントのところ、こんな人です。 スペイン人のフレーム・デザイナーで、写真は若い頃のもの。(実はガンとの闘病の末、2004年に鬼籍に入っておられます。享年51歳) フレーム・デザイナーといえばイタ車好きにはマッシモ・タンブリーニが金字塔ですが、2人は同じ時代に活躍しており、タンブリーニと比べても遜色ない・・・いや、同格ある […]
オートバイのフレーム [ 2 ]
ここでようやくオートバイの歴史に入ります。最初のオートバイの出現は、先に説明した自転車が現在の形になるちょっと前のこととなります。 世界初のオートバイと見なされているものは、意外にもイギリスではなく、最初の自転車と同じドイツ製。ダイムラー・ベンツ社の創始者の一人として有名なG・W・ダイムラーがガソリン機関のコンパクト化に成功したことから、コトは始まります。
オートバイのフレーム [ 1 ]
個人的な思い入れの暴走で回りはドン引き、という重度のバイク・オタクである当方にとっては嬉しい評価をいただいております一連のうんちくシリーズですが、過去のシリーズのうち、ひとつも収束の目処も立っていない現在、懲りずに新たなシリーズを始めたいと思います。(まさにディアゴスティーニ状態!) 今回のテーマは、フレームです。私がオートバイの中で最も好きなパーツでありますゆえ、力の入ったシリーズになるでし […]
ボルディ以前のドゥカティ4バルブ [ 1 ]
こちらの稿(http://www.italian.sakura.ne.jp/sons_of_biscuits/?p=186)で、ボルディがDOHC4バルブ・ヘッドをデザインする際、タリオーニ御大と少なからず確執があったことを書きました。 それでは、タリオーニは4バルブヘッドを、まったくデザインしなかったか否かというと・・・・実は、いくつかしているんですよね。このシリーズでは、それらを紹介してい […]
燃焼室形状とバルブレイアウトの話 [ 3 ] – 2バルブ ウエッジ・ヘロン・バスタブ型燃焼室
(3) OHV、SOHC、DOHC 前回までに、原始的な存在であるSV(サイドバルブ)と、OHVに至るまでの過渡的な存在であったOHIV(オーバーヘッドインレットバルブ)について説明しました。 OHV(オーバーヘッドバルブ)は、SVのもつ致命的な欠点を改善するために、燃焼室をよりコンパクトに、より流体的に理想的な形状になるよう考慮されたものです。 一般的には、OHVの発展系としてSOHC(シ […]
デスモ4バルブ出生の秘密
マッシモ・ボルディが、DOHC4バルブのデスモヘッドを初めて設計したのは、なんと今から35年前の1973年、彼のボローニャ大学における卒論でのこと。カムの駆動方式は、現在のようなタイミングベルトによるものではなく、当時のドゥカティの市販車と同じベベルギアでした。 そしてこのヘッドデザインはコスワースから強い影響を受けた、という有名な事実を巡る考察が今回の主題であります。
燃焼室形状とバルブレイアウトの話 [ 2 ] – OHIV・2弁
[ 2 ] OHIV・2バルブ サイドバルブの致命的な欠点が燃焼室の広さで、その原因がバルブの配置であれば・・・バルブの位置を変えてみよう、さてどこに移すか・・・そんなにたくさんの選択肢があるわけではなく、ピストンの上にもって来よう、という発想になるのは極めて自然といえましょう。 SV(サイドバルブ)ではクランクのそばで動くカムが直接バルブを動かしていたのですが、バルブはピストン上に移ってしま […]
燃焼室形状とバルブレイアウトの話 [ 1 ] – サイドバルブ・2弁
唐突なんですが、「燃焼室形状とバルブレイアウト」をテーマにうんちくをひとくさりしてみようかと思います。個人的に好きな話題なもので・・・できるだけ分かり易く、読んでためになる内容となるよう努めるつもりです。 キーとなる要素は、「燃焼室の形状」、「バルブの駆動方式」、「バルブの数」の3つで、これらは極めて高い相関関係がありますが、これらの相関を一般論としてまとめるにはあまりに複雑なため、以下の実例 […]